なぜ、ネットでしかヒットは生まれないのか
津谷祐司 PHP研究所 1200円
第一版 2008年6月18日
携帯コンテンツ会社(株)ボルテージ代表取締役
津谷さんの本
ちなみに、津谷さんは博報堂で11年キャリアを積んだ人
1963年生まれ福井出身
大衆→個衆により、ヒットの人数は100万人から10万人に
という考え方や
コンテンツは、表面は流行に、奥底は本質に従え
という考え方や
現代の個人の悩みは自由から発生するものであるべき
という考え方について
非常に共感がもてるとともに、これまで私が考えていたことと合致する。
自分よりも一回り以上も早く生まれて、バブルも経験した世代なはずなのに
そういった視点を持っていることに驚嘆した。
また、分析自体もおもしろく
戦略本などでよく取り上げられる、マーケ手法の3Cなどの使い方が絶妙。
確かに、3Cの概念自体は、既知のことではあるが、それを
このように整理し、自分の言葉に置き換えて
自分のビジネスに生かせる形に翻訳できていることはすばらしい。
Company:自社の得意分野・得意技
Competitor:他社がやっていない・強くない分野
Consumer:ユーザーのニーズ
「ヒットコンテンツを作るために重要なことは、まず自分の強みとユーザーのニーズの重なったところを探ることだ」
素人がつくるコンテンツ
→自分の好きなもの
例:美少女ゲームとか、自分の興味に忠実なもの
↓
↓
お客さんの方を向け!とアドバイスされると・・・
→こんどは、ユーザー一辺倒
例:フィギュアスケートが今はやってるから、フィギュアのゲーム
「けれども本人のフィギュアの知識が素人並みというのでは、いいものが作れるはずがない」
→フィギュアのゲームをかうお客さん→フィギュアに詳しい
→作り手のレベルがお客さん以下ではよいものができるはずがない。
これは、ヨドバシの店員の商品および商品の周辺情報に関する知識と同じ。
秋葉原にくる顧客は、自分の興味の対象に関しては店員を遙かに凌駕する知識を有する。
そうの顧客を満足させるだけの店員の知識に基づいたサービスを提供するには
店員側も自分の強みに即した(知識の豊富な)ものを提供する必要がある。
いくら、今ヒットしているからと言って、全く商品の説明ができないようなものを
販売することはできないのと同じだ。
だから、自分の強いところを出しつつ、お客さんのニーズをカバーする必要がある。
そして、他社がやっていないことをやる必要がある。
たとえば
「サッカーがダメならバドミントンではどうか」
「いくら他がやっていないといっても、マイナーすぎてニーズのないところでは成功できない。」
「この場合、「カスタマー」(お客さんのニーズ)の要素が弱すぎるということになる」
「このように、3つのうち2つだけクリアしてもダメで、3つが重ならなければいけないのだ。」
「この条件を満たすところはそう簡単には見つからないので、真剣に探る努力をしなければいけない。それが第一歩だ。」
※「」括弧内は本文p.80〜p.83より引用
なかなか。自分の弱いところ、つらいところに目を向けて生きる姿勢を感じさせる。
マーケの本も通り一辺倒だが、この本は視点も持っている哲学も一線を画すといってもよいだろう。